幸せってなんだろう?
胸に小骨が刺さっているように
頭から離れないテレビがあります。
先日テレビで放送していた、ドキュメンタリー番組です。
※障害者の方の話です。苦手な方は読まないで下さい※
20代後半の男性(テレビ局ディレクター)が1ヶ月間、脳障害のある妹を取り続けた番組です。
妹さんは、産まれてすぐに心臓の手術をうけ、その時に脳の血管が破裂。
脳性麻痺の体になったそうです。
動くのは、手首から先と、首から上。
体に筋肉は無く、「いいよ」と、後はう〜、あ〜程度しか話せません。
笑顔と泣くことは出来ます。
母は、息子には息子の人生があると思い、介護をさせなかったそう…。
なので、お兄ちゃんの決して上手ではない介護生活が綴られた50分の番組です。
10年以上付き合っているヘルパーさんには見せている笑顔が、実の兄の介護ではでません。彼は、妹に笑顔になってもらうことを一つのゴールにしてギターを弾いたり、必死になります。
ですが、ヘルパーさんからは
お兄ちゃんだから、気をつかわなくていいから笑わないの。
分かっているの、甘えているの。
私達には遠慮があるから笑ってくれる。気を使ってくれているのよ
そう言われてびっくりするお兄ちゃん!
でもちょっと優越感に浸ります。
そして、とうとう笑顔を見せてくれた瞬間がっっ!!
そりゃあ、嬉しいですよね。
もっと笑顔を見せてほしい!
もっと、もっと!!
得意げになった彼は、その後両親に戒められます。
『笑顔を強要するんじゃない』
普通の人でも、ずっと笑顔でいないでしょう?
普通のことに笑顔を求めないで。
そんなの、妹も辛いじゃない。
どうして笑顔にこだわるの??
その言葉をきっかけに、
障害者としてみていて、妹と向き合っていなかった自分に気がつきます。
実は、妹さんは双子でもう1人の妹さん(お医者さんの卵!)も交えて、ドキュメンタリーは続いて行きます。
子供には自由に人生を選んでほしいという思いと、このまま、自分がいなくなったらこの子はどうなるのか…。
子供にも力を貸してほしい。近くにいて面倒を見て欲しい。
でもそれでは子供がかわいそうだと思う複雑な気持ち。
お兄ちゃんの一ヶ月介護がきっかけで、今まで当たり前過ぎてきちんと考えて来なかった、見たことがなかった、聞いたことがなかった姿が浮き彫りになっていきます。
このテレビを通して、改めて幸せについて考えました。
幸せって、
家族って、なんだろう?
胸に引っかかった小骨は、中々取れてくれません。
家族の幸せとはなんだろう?
私の幸せとは、なんだろう?
ずっと悩んできた自分の問い(迷路)から抜け出せるフックをもらったドキュメンタリーでした。
うまく表現出来ないのですが、ちょっと頭を殴られたような衝撃。。
最後に、お父さんが話していた言葉が印象的でしたので、記憶に残っているので、書いておきます。
自分の同年代の人は子育ても終わり、旅行に行ったり、自由な自分の時間がもてたりしている。
自分も、そうしたいと思う時が正直ある。
でも、この日常がいいんだ。
昨日できなかったことが出来るようになることが幸せじゃない。
いることが幸せなんだ。
0コメント