愛を身に着けている人
大切な人
おしゃれな空間
色彩豊かで手の込まれたおいしい料理
この3つがそろうと、時間はいつだって駆け足で過ぎ去ってしまう。
最後のデザートもぺろりと平らげて
2時間のコースはあっという間に終わってしまった。
テーブルの上に置いてあるのはお水のみ。
まだ、帰りたくない。
最高に幸せな時間をもう少し、もう少しだけ…
そう思っていた矢先だった。
『最後にエスプレッソ飲まない?もちろん、ごちそうするから。』
やられた。と思った。
愛を持っている人はいつだってスマートで自然体だ。
ぐぅの音も出ない、絶妙なタイミングと完璧なセリフ。
もしかしたら放送作家でも雇っているだろうか…。
こちらが身構える間もなく
あまりにも自然に言っていただいたので
そのままの流れに乗って笑顔で甘えさせていただいた。
愛を持っている人はいつだって、自然体で愛を届けてくれる。
与えるわけでも、分けるわけでも、配るわけでもない。
行動の全てに愛があることが当たり前なのだ。
その心遣いが私の心にスッと届いてなじむのに何ら抵抗感はない。
彼女にすっかり魅了されてしまった。
当たり前に愛を届けてくれたの彼女の人間力のすごさたるや!!
少しでも彼女に近づける日は来るかな?
そんなことを思いながら
彼女の愛で包まれたエスプレッソを
ゆっくりと大切に味あわせていただいた。
白いコーヒーカップに、茶色しか色がない飲み物が
この日食べた、手の込んだ料理よりも
一番記憶に残った料理だった。
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